歴史 history

概要

 海印山西光寺は、寛永元年(1624年)に創建され、2024年には400年を迎える。

 開基は蓮正で、第2世蓮秀、第3世蓮教、第4世元貞、第5世願正、第6世玄真、第7世周観、第8世高慶、第9世通性、第10世通恵、第11世通観、第12世通明、第13世通真、第14世通暢、第15世真爾、第16世瀾雄、第17世真人と続いている。

沿革

 徳川家康が江戸に幕府を開いてから21年後、三代将軍家光の統治下、九州から広島方面に欅の木材を大量に海送途中、台風に会い、その木材が床波浦に流れてきた。その木材を回収し、50戸あまりの信徒が食うや食わずで、ひたすらに信仰の一念にもえて建立したのが、​海印山西光寺の始まりであると伝えられている。

 古歴幽玄を物語るのは、なんと言っても、御仏像に、正徳5年(1715年)8月16日に大阪の住人、大仏師井石隆作の刻印があり、山門は近郷には珍しい造作であること、また、本堂の欄間(唐狭間)は、寛政12年(1801年)の作であることからしても、実に国宝的存在を思わせるものがある。

 眼下に紺碧の瀬戸内海を、周囲には床波に最も多い門信徒のいらかを見下ろし、境内に樹齢数百年と思える大銀杏(幹周囲4メートル)が澄み渡る空から浄土真宗の威容を告げているかのように静かに聳えている。